
Vol.01
Interview.
#03
日本のデザイナーに足りないものとは?
日本のデザイン業界が、変わった方がいいと思うところはありますか?
厳しすぎる上下関係は、マストで変えないといけない部分だと感じます。
目上の人を敬う文化はとても良いと思うんですが、理由を言わずにやれ、みたいなことをそのまま欧米文化に持ちこみ、例えば自分が上の立場に立った時に下の人に命令なんかすると、もうアウトです(笑)こちらであれば、理由を言わないと突き返されます。
ジュニアの人だから、自分より下っていうわけじゃない。ただ単に今入って経験年数がデザイナーとしてはないっていうだけで、他の事をいっぱい経験してきている。
こちらではかなりフラットに意見交換されます。日本はそれがないので多くの意見を反映したよりよいものを作るのであれば、取り入れた方が良い部分かなと思います。
では、日本のデザイナーが海外で働くにあたり、補った方がいいところはあると思いますか?
自分で考え、伝える力でしょうか。
例えば Twitter をやってても思うんですが、ある程度キャリアを重ねてらっしゃるクリエイターさんから「こういうふうにしたほうがいいよ」とその人の意見として言われたとしたら、100%疑いもなく「勉強になります」って言って受けてしまう。
少し従順すぎるというか。
素直なのは悪いことではないのですが、自分は一人しかいないし1日は24時間しかないから、自分がなりたい目標のために必要なことかどうかっていうのを、ちゃんと取捨選択した方がいいのではないかな、と思います。
上下関係は先輩後輩だけでなく、デザイナー対顧客でも顕著ですね。
そうですね。イギリスでは意見を伝えないと、逆に評価が下がりますよ。「意見ないの?この人は」って。
例えば、デザイナーは説明なしにデザインだけを見せたり、顧客が「こうしてほしい」と修正リクエストをしたものに対し、デザイナーが自分の意見を伝えずに顧客に言われた通り、黙って直すのも疑問です。
自身のデザインによって伝えたいことや目的は「私はこう思うから、こうした方がいいと思うんです」と顧客に伝えることが必要だと思います。
日本ではこれは仕方ない部分もあるけれど、最終的に欧州・アメリカで働きたいなと思っている方は、絶対に自分の思っていることを伝える練習はしておいた方がいいです。他人を攻撃せず「自分はこう思う」と、喧嘩ではなく上手に議論するスキルを。
自分がどうなりたいか決めるのは自分だし、良いデザインを作るのは自分ですからね。
本当もったいないなって思うのは、やる気ある人は多いし、スキル高い人もすごく多いし、センスある人もめちゃくちゃ多いのに、意見を言うと「はぁ?」と思われるとかね。
意見を言われ慣れてないから、受け慣れてない。コミュニケーション自体がやり慣れてないんですよ、皆さん。そのせいで世界に行けないって本当もったいないと思う。
やる気があり、スキルも高い日本のデザイナーに
どうしても足りないもの

デザイナーの醍醐味って、なんだと思いますか?
自分がいかに世の中にインパクトを与えられるか!だと思います。
自分が作った何かを、世界のどこかの知らない人が見たり、使ってくれてるわけですよね。そして、その人の生活が便利になったり、人生を良い方向に変える。そういうことができる職業なんですよ。
しかも、そのデザインおかげで、例えば会社の業績が20%あがったとか、最高じゃないですか!
本当にそうですね!キャシさんが出会って人生が変わったグラフィックデザインの本も、キャシさんの人生を変えましたからね。
デザインは人生を変えるきっかけになり得るし、広告なども誰かを勇気づけたり考えるきっかけになるし、子どもの頃見たものがずっと心に残り続けることもありますし。
そうですよね。そういう仕事をやるときには、やっぱり意見を出さないといいものは作れない。怖がらないで意見を言うようにしたいですよね。ただ、日本のやり方のシステムはすぐには変わりません。
日本の皆さん、もうちょっと自分に自信を持って、自分に合ったところに引っ越しちゃいましょう。環境を変えよう。
キャシさんの行動力に勇気づけられる人は多いと思います。やってみてダメならやめたらいい、まず行動を起こそう!
コロナ禍で海外の行き来はまだ大変ですが、市場も今どんどん変動しているのでチャンスは沢山あります。
でも、チャンスの波は一瞬で過ぎ去るので、波をつかむために準備をすること。準備には時間がかかるのでとにかく早く動いた方がいいと、私も経験から思います!
キャシさん、今日は本当にありがとうございました!
デザイントーストではデザイン海外就職相談、レジュメ添削を行っています。
UI/UXデザインも11月以降開講予定です。お問合せ下さい!
3
自分が作った何かを、世界のどこかで知らない人が見て、使ってくれている
2021.07.10
TOP > インタビュー > 日本のデザイナーは、海外で活躍できるのか?















ほり Hori
デザイントースト代表・クリエイティブディレクター
都内制作会社でWeb/グラフィックデザインを行い2017年オーストラリアで独立、シンガポールでスタートアッププロジェクト参画を経て、2020年フリーランスチームPolittle Design立ち上げ、アートディレクション等幅広く行う。2021年にデザイントーストを設立
キャシ Katherine Tachibana
ロンドン在住・プロダクトUIデザイナー
現在、ロンドン拠点でフルリモートで東京・渋谷のon株式会社のビジュアルデザイナーとして、業務システム・アプリUIデザイン、デザインシステムやFigmaルール策定、勉強会・デザインチェックからアートディレクションのサポートまで幅広く担当
Vol.01
Interview.
#海外就職 #イギリス就職 #デザイン就職 #デザイン留学 #デザイン学習 #日本のデザイン #海外のデザイン #デザイン英語力 #グラフィックデザイン #Webデザイン #UI/UX #UIデザイン #Webデザイナー転職 #海外デザイン転職 #キャリアチェンジ #デザイナー転職